プラスチックスマイル 外伝


もう一人の凡人(後)





薬に匂いが鼻のツンときた。私は保健室に運ばれたらしく、虚ろな目を
開けるとそこには智鶴さんと文香ちゃんがいた。
――文香ちゃん。何とんがりコーン食べてるの?
「今何時……?」
「3限目が終わった辺り。あれから私と桜で皆葉を呼んで運んでもらったの。」
感謝してよねー、と彼女はいつもの少しだけ高慢そうな口ぶりで話す。
「怪我はかすり傷程度。」
受身の体勢をしておいて良かった、と心中思う。
「――そのさ、辛いなら無理しなくていいと思うよ。ふっみー、いつも頑張ってるし。」
「ホント、誰かさんとは大違いだわ。」
「黙れロリコン。」
「うるさいわねー、このショタとボイン好き。」
「何っ!ボインとショタの何処が悪いのさ。」
「……ほら、言う人によるじゃない。」
公の場でそんな話はやめてくれ、と私が言うなり2人は口を噤む。
「んー、取り合えず無理はしないことね。それが重要だわ。」
「って桜、あんたも結構無理してるほうなのにそれ、説得力ないよ?」
「いいじゃない別に。」
あ、扇菜ちゃん何気にはぐらかそうとしている。私は目を細めた。
「とにかく無理しないことね。以上。私、親父に用事があるから。」
「用事?」
「ええ、部屋の整理をしてくれ。ですって。馬鹿じゃないのって思うでしょ。」
それじゃあ、と言い彼女は保健室を颯爽と立ち去っていった。私は彼女の
言ったことの後の話を考えてみる。
散々扇菜ちゃんに注意される理事長がいて、んでブツブツ文句を言いつつも
部屋の片付けをする。――あ、我ながら結構イイシチュエーションができた。
私はふっと笑った。
「どーかした?」
「ううん。丁度イイネタができたの。」
訝しげな顔をする智鶴さんの横で私は続きを考える。そうだ、さっき思いついた
このネタを短編として書いてみるのはどうだろう。更に想像を頭中に張り巡らせる。
久しぶりに、早くこのネタをルーズリーフに綴りたい。


あれから半月。今日は国語の文法テスト。正直自信はあるとは言えない。
後ろのほうでブーイングが聞こえた。
「先生!俺授業放棄します。」
「めんどいーっ。」

後ろのほうで美紅さんや天川さんが文句を言いはじめた。すると、何
処からともなく
たらいが降ってきた。2人はすぐさま移動し、壱郎さんを真下に持っていく。

「い゛っ!?」
――面白い顔。
「……おいお前等!」
「俺のせいじゃないしー。」
「壱。もっと運動神経アップしないと。」
「くそぉ!どうして俺だけこんな役なんだ。」
私は教室の扉のほうを見た。そこには扇菜ちゃんがコッチを見ている。私は口パクで
ありがとう、と言った。
そろそろ、深緑の季節が訪れる。その頃にはこのクラスに馴染めている、のだろうか――?



後書き

番外編とは違いますね。外伝です。そこのところ注意です。

知念文香にもモデルはちゃんと居ます。私の小説仲間です。その子の小説は
結構読み応えがあり、尊敬している部分もあるんですよねー。文香を
外伝に出した理由は設定と作った以上はなし、にはできないが1つ。もう
1つは本編キャラには不向きだったからです。凡人なら壱郎がいて、
奇人であればその他のキャラクターがいるので不向きなんです。
とても扱いづらいキャラクターなのです。

本編や番外編よりもギャグ度は低いです。実際暴れているキャラクターも
そう多くないです。二十一や空也にいたっては姿かたち登場しません。
実際まともに出番があったのは扇菜と智鶴位です。

それと、2005年3月12日現在でカオスぱらだいす様のカオぱらランキングで
3位だと言う事が分かり、そのコメントを見ていて書かなければ!とつい義務感が
出てきてしまい書きました。友達以外の人からこの小説が受けているのは
嬉しいことです。その言葉や期待を励みにして小説を書く時は一番気持ちが
良いです。

本編のほうはイメージは固まっているのですが執筆しようとしてもいまいち
良い物ができあがりません。あー……どうしよう。


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